寒波続きなので…
ホラー映画を観ました。
「プラットフォーム」（99分/スペイン/2019年）
ホラー映画と紹介されていたんですがホラーではない気がします。
不条理サスペンスあたりではないかと。強いて言うならシチュエーションホラーコント。〇〇しないと出られない部屋が一番近そう。
いい映画でした。脚本が練られている。セリフ回しも良くて。役者さんも印象に残ります。
主役ではなく同室男女二人がそれぞれ強烈ですごいイイ顔の人を連れてきたなぁと思いました。声も良かった。言葉はわからないですが。
以下ネタバレというか内容にふんわり触れます。
この映画で扱われる暗喩でありつつ直喩でもあると思うのですが、生＝食は自分がとても好きなテーマなので、終盤これをどう着地させるつもりなのか、ここまできて不条理ナンセンスで終わっちゃったら嫌だなと思っていましたが、ひとつの答えを出して終わらせるのが良かった。その答えについてはさておいても。対していた存在と肩を並べた瞬間に終幕を感じさせるのもそこに至るまでの緻密な設計があってこそなのだろうと思います。
ところでこの映画冒頭に強い既視感があるんだけど検索してもヒットしなかった。
もっと大人数仕立ての同じような階層構造で、やっぱり食べ物が絡んでいて、天井が抜けるカタルシスがあったように記憶している。フランスあたりの暗い画面の感じだった。階層構造が欧州ではポピュラーな表現なのかもしれません。ご存知の方がいたら教えて戴きたい。
人間が生きること、と人間社会が生み出すもの、をギリギリまで濃縮してあの形にして表現したところが白眉。ぼんやり頭の中に浮かんでいても、ぶっちゃけすごくマヌケな舞台仕掛けを本当にやっちゃう人はそう居ない。自分はたぶんそこが一番好き。
